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HONYAMA88 お茶用語集

本山茶をもっとよく知っていただくために、お茶周辺の用語をまとめました。茶農家や製茶問屋が使う、独特な言い回しも含まれています。

【あ行】

浅蒸し・普通蒸し(あさむし・ふつうむし)

一般に、柔らかで小さな茶の葉に用いられる製法で、30秒ほど蒸してから揉まれてできあがる。熱を通す時間が短いため、茶葉の形状が崩れにくく、細い銀の針のようで艶がある。茶の成分が溶けにくく、二煎目、三煎目も良く味が出る上に、水色は金色透明で香り高い。本山茶にはよく使われる製法で、浅蒸し・普通蒸し茶は、煎茶道でも使用されている。


荒茶(あらちゃ)

お茶の製造工程で、生葉から蒸し→粗揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥までを行ったお茶。工程に従って水分含有量を下げていく。ここから仕上げ乾燥や合組(ブレンド)が行われる。

【か行】

改植(かいしょく)

茶の木を抜根して新たな茶の木に植え替えること。


合組(ごうぐみ)

さまざまな品種や産地のお茶をブレンドして安定した味のお茶を作ること。←→シングルオリジン


こぐ(こぐ)

引き抜くこと。茶の木を抜く時によく使用される。


硬葉(こわば)

大きくて硬い葉。一般に、深蒸し製法にされることが多い。←→みる芽

【さ行】

乗用(じょうよう)

乗用茶刈機のことで、「乗用」と短縮して呼ばれることがほとんど。主に平野部の茶畑で使用される。傾斜が急な山の茶畑は乗用が使用できず、二人刈りや手摘みとなり、労力が増す。


しとり(しとり)

茶の生葉の表面が程よく湿っていること。あるいは生葉の表面と、芯の水分量がほぼ同量なこと。


シングルオリジン(しんぐるおりじん)

単一農園で作ったお茶のこと。


揉捻(じゅうねん)

荒茶製造の第二工程として、粗揉(そじゅう)では取り除けなかった葉脈や茎といった固い部分の中心部にある水分を揉み出し、茶葉全体の水分を均一にする工程。粗揉と異なり、円を描くように横に揉む。


水色(すいしょく)

お茶を淹れた時の色のこと。一般に深蒸し茶は濃い緑色、浅蒸し茶は萌黄色で、高級茶は「金色透明」が良いとされる。


粗揉(そじゅう)

荒茶製造における、蒸しの後の第一工程。熱風を当てながらかき混ぜ、圧をかけて揉むことで、茶葉を柔らかくし、葉の中に含まれている水分を乾燥させていく工程。縦揉み。


精揉(せいじゅう)

荒茶製造における第四工程、揉みの工程では最終工程。茶葉の乾燥を進めながら圧をかけて一定方向にだけ揉みこみ、茶葉特有の細長い形に整えます。精揉を終えると茶葉は、一般流通するようなピンとした針状になり、サラサラとした乾いた状態まで仕上げる。

【た行】

茶園

茶畑のこと。茶農家自体を指すこともある。


着香(ちゃっこう)

茶にフレーバー(香り)をつけること。古くはアールグレー(紅茶)やジャスミン茶(烏龍茶)があり、最近ではフルーツやチョコレートなどの着香も見受けられる。


中揉(ちゅうじゅう)

荒茶製造の第三工程として、揉捻後の茶葉は揉みながらほぐしていく工程。熱風を当てながら、茶葉全体の水分を飛ばし、生葉の3分の1ほどの重さまで落とす。

【な行】

二人刈(ににんがり)

バリカン状の二人用茶作業機を用い、茶の畝をふたりで挟み茶刈りをすること。乗用摘採機が入れない山あいの茶畑でも使用が可能。

【は行】

発酵(はっこう)

お茶の「発酵」とは茶葉の酸化のこと。発酵食品のように微生物によって発酵するものとは異なる。ざっくりと分類すれば、不発酵茶=緑茶、微発酵茶・半発酵茶=烏龍茶、発酵茶=紅茶である。


品種(ひんしゅ)

茶の種類のこと。静岡県では「やぶきた」が主流だが、「おくひかり」や「さえみどり」、「香駿」など、新しい品種への改植も増えてきている。


深蒸し(ふかむし)

一般に、日照時間の長い平野部の大きな茶の葉や硬葉に用いられる製法で、1分以上蒸してから揉んで仕上げる。火を通す時間が長いため茶葉は粉砕され、細かいことが多い。濃い緑色の水色で、コクがあるといわれている。


放棄茶園(ほうき・ちゃえん)

耕作放棄された茶畑のこと。茶の木は抜根にも手がかかるため、抜かずに放置されていることがほとんど。そのまま成長すると近隣の畑や道路に枝がはみ出し、近年問題になっている。


圃場(ほじょう)

茶畑のこと。

【ま行】

みる芽(みるめ)

「みるい」とは静岡弁で、「幼い、若い、柔らかい」などを意味する。「みる芽」も柔らかな新茶の芽を表す静岡の方言だったが、茶業界では全国的に通じる単語となった。←→硬葉


モノラック(ものらっく)

レールが付いた移動式機械。急斜面の茶畑で収穫した茶葉などを載せて運ぶ。モノレールともいう。

【や行】

やぶ(やぶ)

ヤブキタのこと。


ヤブキタ(やぶきた)

1908年、静岡の篤農家、杉山彦三郎が竹やぶの北で発見したという茶の品種で、香気があり味わいも深く、在来種より収穫時期も早かったため、静岡を始め、全国で急速に普及した。日本茶の代名詞とも言える。


山のお茶(やまのおちゃ)

一般的に標高が高く、朝霧が立ち込めるような山間地で作られるお茶のことで、本山茶は山のお茶に該当することがほとんど。平野部に比べて新茶の摘採時期は遅いが、香りや味に秀で、収量も少なく希少。


幼木(ようぼく)

改植等で植えられ、まだ新芽を摘み取るまでに至らない茶の若木のこと。収穫できるようになるまで3〜5年かかる。

【ら行】

【わ行】

取材・文/朝比奈 綾 撮影/近藤ゆきえ