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おいしい紅茶体験で「梅ヶ島を元気に!」 〜静岡 梅ヶ島くらぶ〜

長年、週末に静岡市の中心部から梅ヶ島に赴き、自然の中の暮らしを楽しんできた仲良しのふたり。暮らすうちに、過疎化が進み、少しずつ変化している梅ヶ島を「盛り上げたい、恩返しをしたい!」、そんな気持ちで立ち上げた「静岡 梅ヶ島くらぶ」。大好きな梅ヶ島に紅茶というキーワードを組み合わせたら、次々と素敵なアイデアが湧いてきて……。


週末ハウスのある梅ヶ島に恩返し

静岡 梅ヶ島くらぶはどのようにスタートしたのですか?
 
辻 美陽子さん(以降「辻」)
もともと彼(杉山さん)が梅ヶ島に別荘を持っていて、つまり週末ハウスですね。ふたりで週末ごとに来ていたんです。

杉山さん(以下杉山)
梅ヶ島に家を持って、もう25年になりますね。25年間、この土地でずっと楽しませてもらっていて。


とてもいいところなので、梅ヶ島をもっと盛り上げたいという思いがあって、「静岡 梅ヶ島くらぶ」を立ち上げました。梅ヶ島は遠いように思われているけれど、夜、街中の家を出れば道も空いていて、すぐに到着するんですよ。なのに自然がいっぱいで、リラックスできるところなんです。

プライベートでもパートナーのおふたりが立ち上げたというわけですね?


そうです。そして立ち上げたからには、地元の雇用につながるような事業にしたいと思っています。

商品のネーミングもおもしろいですね。紅茶が「二度目の恋」、紅茶チャイが「十四時半のときめき」、ほうじ茶チャイが「二十一時のくつろぎ」……。


梅ヶ島紅茶は香りが高くて渋みが少ないんです。ゆっくり抽出して、ずっと飲める。そこで「おいしすぎて二度惚れしてしまうかもよ」と、ユーモアも込めて名付けました。紅茶チャイは思い出のエピソードから。以前、あるギャラリーのお手伝いをしていた時、いつも14時半になるとオーナーがチャイをクツクツと煮始めたんです。その香りが漂い始めると、「そろそろおやつの時間だわ」と、ときめくじゃないですか。あの時の気持ちを思い出して名付けました。ほうじ茶チャイは、カフェインも少ないことから「寝る前にどうぞ」という気持ちで。こんな風に楽しんでもらえたらいいな、という私たちの思いも込められています。

紅茶 Black Tea

トップはパッションフルーツのような明るく、爽やかな柑橘の香りからスタートし、ラストに変化するにつれてべっこう飴のような蜜香が広がる、とても優等生な紅茶。

クラフト:発酵
ブレンド:ストレート
ジャンル:紅茶

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新茶シーズンが他地域より1カ月遅い、だから考えた

静岡 梅ヶ島くらぶでは、緑茶は作らないのですか?


このあたりは静岡の茶産地の中でも寒冷で、新茶のスタートが遅いんです。1ヶ月くらいは遅れると思います。となると、発売が早いほど高値がつく緑茶は、事業として勝負するにはちょっと厳しいんですよね。その代わり、紅茶がとてもおいしい。紅茶は茶畑の作り方・育て方からして緑茶とは違うので、私たちは紅茶だけにしようと決めました。

茶畑はお持ちなんですか?


現在、5ヶ所あります。品種は梅ヶ島の在来種からヤブキタまでいろいろです。紅茶はできるだけ茶の木本来の樹勢を強くしてあげることでおいしくなります。緑茶とちがって、手をかけ過ぎてはだめなんです(笑)。だから、農薬や化学肥料を使わずに育てています。幸い寒冷な梅ヶ島の自然のサイクルに組み込まれ、たとえばカマキリがいわゆる害虫を退治してくれたり、私たちの茶畑も自然に沿って生かされています。

茶農家の経験はあったのでしょうか?

辻・杉山
ありません(笑)。


でも、ご縁があって、梅ヶ島の方から茶畑を託されたので、ふたりで頑張ろうと。彼は、なんでもできるんです。本業のクリーニング屋さんをしながら空手の先生もしていて、若い頃から江戸千家流のお茶を習っていて、自然の中で過ごすのが好きで、DIYも得意。この年齢での茶農家デビューも、彼がいなかったらきっとやっていなかったでしょうね。

杉山
ふたりで材木を運んで家も建てました(笑)。


木を切り出してね。樵(きこり)もやるんです。私はもちろん初めての経験でした(笑)。

杉山
楽しければクリーニング店も茶農家も樵(きこり)もやります。今はお茶に一番時間をかけています。

ビジネスコンテスト入賞から動き始めたこと

商品ラインナップの中には、辻さん渾身のアイテムがあるとか?


はい、第9回「静岡おみやプロジェクト」に選ばれた「静岡梅ヶ島産チャイ」です。良質な紅茶の茶葉に身体を温める有機スパイスを数種類ブレンドしたものです。ぜひお味見してください。

ありがとうございます! いい香り、そしてスパイシーでとてもおいしいです。夏はソーダで割ってティーソーダにするのもいいですね。アイスクリームにかけても香り高く、とってもおいしいです。


ありがとうございます。そうなんです。特に低温濃縮のシロップはティーソーダもスパイシーでおすすめですし、アイスクリームにかける時はちょっとラム酒を垂らすのもおすすめです。大人のアイスクリームになりますよ(笑)!もちろんお湯や温かいミルクで割って飲むオーソドックスなチャイもとてもおいしいので、さまざまな味わいを楽しめる大人気商品です。でも実はこれ、ビジネスのアドバイスしてくださる専門家からもダメ出しされて、なかなか商品化に結びつかなかったものなんです。私は梅ヶ島産の紅茶のおいしさに絶対的な自信がありましたし、梅ヶ島に住んでいる人のこと、紅茶のことを誰よりも考えているという自負があったので、ダメ出しされても諦めませんでした(笑)。

専門家の方はどうしてそう思ったんでしょうか?


「まだ早いのでは?」と言われました。きっと、梅ヶ島産の紅茶がもっと認知されてから取り掛かったらどうか、という意図だったと思うのですが、その頃の私の頭の中にあったのは「梅ヶ島温泉」のイメージ。温泉と同じく、身体が温まって、血流がよくなってデトックスもできる、そういう飲み物を大好きな梅ヶ島産の紅茶で作れたら…という思いがあったんです。周囲の方や、ご縁で繋がったプロフェッショナルな方々の協力もあり、無事、商品化してヒットとなりました。…梅ヶ島産の紅茶の味に自信があったのは、自分たちだけでなく、褒めてくださる方がいたからです。

その方はどなたですか?


村松二六さんです。私たちの梅ヶ島での取り組みが新聞に載ったことがあったのですが、その翌日に連絡をくださいました。

村松二六氏…明治初期に多田元吉が始めた和紅茶作りを継ぎ、現在の国産紅茶の礎を築いた、国産紅茶の造り手で知らない者はいないほどの立役者。日本の紅茶作りが低迷していた1980年代、多田元吉の故郷・静岡市丸子で紅茶生産を始める。後進の育成にも積極的。


新聞に載った翌日に連絡があったわけですか?


はい。そしてそれ以降、紅茶生産の相談をしたり、教えていただいたり、お付き合いさせていただいています。

村松二六さんに言われて思い出に残っている言葉があるとか?


梅ヶ島産の紅茶を飲んで、「この香りが出せないんだよなぁ。梅ヶ島ならではだよなぁ」としみじみとおっしゃったんです。

それがとても嬉しくて。梅ヶ島産紅茶は、本当に香り高いんです。二六さんには紅茶製造の機械も用意していただきましたし、本当にいろいろ教えていただいています。これも梅ヶ島産紅茶の結んでくれたご縁だと思います。

チャイ 紅茶

すっきりとした和紅茶の味わいに、香り高いクローブやシナモンをブレンドしたチャイ。 ミルクとシロップで割って飲むと満足感のある味わいになり、アレンジも多様に楽しめるお茶。 スイートポテトのようなニュアンスも感じることもできる。

商品はこちら

静岡 梅ヶ島くらぶでは紅茶作り体験もできるんですね?


はい、体験工房でびっくりするほどおいしい紅茶を手作りすることができます。紅茶づくりはとっても楽しいですし、梅ヶ島の自然の中でのんびりできますよ。ぜひ、ご予約ください。

取材・文/朝比奈 綾 撮影/近藤ゆきえ

イチオシポイント

とびきりおいしい紅茶をめぐる情熱

紅茶作り、商品作りを真剣に、そして思い切り楽しんでいる辻さんと杉山さん。ひょんなことがきっかけで、成熟した大人になってからの就農。でも、梅ヶ島が大好きなふたりは、ここに住む子どもたちが「茶農家を継ぎたい」「茶業に携わりたい」と思えるくらい茶業で活性化する環境づくりができれば、と意気込みを話します。渋みの少ない、香り豊かな梅ヶ島産の紅茶には、和紅茶の良さがぎゅっと詰まっていて、ふたりの思いそのもの。キャッチーな商品名や洗練されたパッケージはギフトにもぴったり。紅茶をきっかけに梅ヶ島を訪れ、自然に包まれた工房で一日を過ごすのもおすすめのショートトリップです。

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「大人になっても梅ヶ島で暮らして、林業や農業の仕事がしたい!」
この子どもたちの夢を実現させたい。という思いで『梅ヶ島くらぶ』を立ち上げ、紅茶作りをはじめました。
自然環境に恵まれた梅ヶ島の茶葉は、華やかな香りのおいしい紅茶ができる条件がそろっています。

静岡 梅ヶ島くらぶ

静岡県静岡市葵区梅ヶ島5342-3

080-3711-3112

梅ヶ島の市営温泉 黄金の湯の庭に建つ『紅茶体験工房』をオープンしました。びっくりするくらいおいしい紅茶作りを体験することができます。

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